米俳優ショーン・ペン(60)が11日、6日から南フランスで開催中のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に入選した監督・主演作「フラッグ・デイ」の記者会見に出席し、ドナルド・トランプ前大統領の新型コロナウイルス対策を批判した。新型コロナの感染拡大が始まった当初、自身が立ち上げた人道支援を行う慈善団体「コア」を通じて米ロサンゼルスに全米最大規模の無料検査場を開設し、その後はワクチンの大型接種場の運営にも携わっていたペンは、「人間的にも政治的にもあらゆる面で反道徳的な政権下で、国としても世界としても期待を裏切られた」と語った。

ペンは、自身やチームのメンバーが検査場やワクチン接種場での業務を終えて夜に帰宅してテレビをつけると、「まるで誰かがホワイトハウスの砲塔からコロナの影響をもっとも受けやすい弱い人々に向けて機銃掃射しているように感じた」とも語り、トランプ氏の失策で多くの犠牲が出たことを非難した。そして、今年1月にバイデン政権に移行してからのコロナ対応は、「まるで太陽が昇っているようだった」と称賛。ワクチンの普及や感染対策の強化で感染拡大を食い止めた手腕を評価した。

ペンは過去にもタイム誌に「人類の敵だ」とトランプ氏について批判する記事を寄稿したこともある。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)