俳優市村正親(72)が、日本初演30周年を迎えるミュージカル「ミス・サイゴン」(22年7~8月、帝国劇場)に出演することが決まり、東宝から発表された。

92年の初演から出演を続ける“ミスター・サイゴン”は、73歳でのエンジニア役に「集大成になる」と決意を語っている。

「ミス・サイゴン」は92年の初演から7回上演され、通算上演回数1463回を重ねる大ヒット作。市村はそのすべてに出演している唯一の存在だ。演じてきたエンジニアは、ベトナム戦争陥落間近のサイゴンでキャバレーを経営し、ヒロイン・キムの運命の糸を操りながら、したたかにアメリカンドリームを追い求めるエネルギッシュな役どころ。これまで累計853回演じてきた。

14年公演では胃がん治療のため途中降板。完全復活した16年公演で卒業を発表したが、熱烈なアンコールを受け続投を宣言していた。目標としていた20年公演は新型コロナ感染拡大で全行程が中止となり、仕切り直しとなる22年帝劇で、6年ぶりにエンジニア役を演じることになった。

市村は「日本初演30年とは、信じられません。この作品で、ミュージカル俳優としての立場を確立することができました。30年間上演し、出演できたことも奇跡ですが、僕もよく頑張った(笑)」とコメントを寄せ「今回が僕にとって『ミス・サイゴン』の集大成になるでしょう」。また「コロナと戦い始めて2年近くの月日が流れましたが、それに負けず、来年、念願かなって上演することができる。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています」とメッセージしている。

エンジニア役は市村のほか、駒田一、伊礼彼方、東山義久が演じる。また、キム役は女優高畑充希(29)、昆夏美(30)、屋比久知奈(27)のトリプルキャストとなっている。