脳内出血による筋力低下でリハビリ中の歌舞伎俳優中村福助(60)が、歌舞伎座「九月大歌舞伎」(9月2日初日)の「お江戸みやげ」に出演することになった。父である七世中村芝翫10年祭と、おじ中村歌右衛門20年祭の追善公演。福助は22日までに「大変うれしく、ありがたいと思っています」とコメントを寄せた。

13年から現在もリハビリを続けている。18年に舞台復帰を果たしているが、今回は舞台を歩く意欲をみせている。

このほど、同公演に向けた取材会を行った弟の中村芝翫(55)は、福助の復帰に「まだまだ完全と言える状態ではないが、日々リハビリに励んでいる。一緒に追善できることはとてもありがたいです」。また「最初から座っている役を考えたが、本人が『どうしても歌舞伎座の舞台を歩きたい』という強い信念を持っており、病気から初めて舞台の上を歩きます。かなわないかもしれないが、意欲があるのはすてきなこと」と喜んだ。

福助のコメントは以下の通り。

「今回、自分も出させていただけることを、大変うれしく、ありがたく思っています。おじと父という、ふたりの偉大な存在に少しでも近づけるよう、自分にとっても、今回の出演は日々のリハビリのモチベーションになっております。感謝しております。『お江戸みやげ』では、父がお辻を勤めた際に、お紺で出演しております。あの、父の独特の世界観を、今回久しぶりにDVDで見て、こみ上げてくるものがありました。そして、大変懐かしく感じました。コロナ禍での開催となりますので、安全に、つつがなく、無事に千穐楽までできること、そして、自分自身精いっぱい勤めたいと思います」。