4月に宝塚歌劇団を退団した元雪組スター彩凪翔(あやなぎ・しょう)が、兵庫・宝塚バウホールで、主演作「アプローズ~夢十夜」に臨んでいる。すでに東京公演を終え、23日に古巣でも開幕。13年単独主演作「春雷」以来のバウ“凱旋(がいせん)”となった。

彩凪は「無事に日本青年館ホール公演の千秋楽を迎えられホッとしています。お客様からの温かい拍手、反応がとてもうれしく、1回1回をお客様とともに作品を作らせていただけたように思います」と退団後の新たな船出に感謝。

バウ公演へ向けて「私にとりましても思い入れのある宝塚バウホール。さらにブラッシュアップして、お客様に大切にお届けいたします」と誓い、久々にバウのセンターに立った。

今作は、昨年4月に設立され、OGの舞台などを手がける「タカラヅカ・ライブ・ネクスト」の旗揚げ公演。19世紀初頭から続く古いオペラハウスを舞台に、スターへの夢を抱く若者を軸にしたミュージカル・ショーだ。

彩凪と音花ゆり、貴千碧、透水さらさ、風馬翔、星乃あんり、笙乃茅桜、星吹彩翔らOG8人に加え、バウ公演には、彩凪の入団年に雪組トップに就いた大先輩の水夏希がゲスト出演している。

彩凪は「卒業して5カ月ほどたちました。私自身にとっては新たな冒険であり、タカラヅカ・ライブ・ネクストの旗揚げ公演でもあり、主演させていただくことを大変光栄に思う」と言い、重責も感じてきた。

自身の再出発にも重ね「新しいことを始める時、新しい作品に挑む時は、いつも必ず試行錯誤をします。今回の作品は、これまでとは違った環境で、衣装やみせ方、いろいろなことを出演者全員で相談して作り上げた大切な作品となりました。明日への希望を感じ、明るい気持ちになっていただけたらうれしいです」。自らの決意もにじませ、公演に臨んでいた。

作・演出も、なじみが深い三木章雄氏。三木氏は「卒業生たちに新たな1歩を踏み出す場所と機会を提供するという理念のタカラヅカ・ライブ・ネクストの誕生。物語のテーマは『夢を追う』です」。夢と野心に燃える若者像を彩凪にリンクさせて描き「夢に生きるナイーブでエネルギッシュな姿は、まさに彼女がタカラヅカで生きて来た軌跡に重なります」とコメントした。

バウ公演は26日まで。25日午後4時公演は、ライブ配信も決まっている。