藤原竜也(39)松山ケンイチ(36)がダブル主演を務める映画「ノイズ」(来年1月28日公開、廣木隆一監督)のスペシャルトークイベントを取材した。

原作は、筒井哲也氏が17年から20年まで集英社「グランドジャンプ」で連載していた同名コミック。“死体を隠しきれるか”という、予測不能なサスペンスミステリーで、藤原は、元受刑者のサイコキラーを殺してしまう泉圭太を演じる。松山は、圭太の殺人を隠蔽(いんぺい)すべく死体隠しに協力する幼なじみの染田辺純を演じる。

2人は、2006年に公開された映画「デスノート」以来、15年ぶりの共演。「デスノート」は、名前を書いた人間を死なせることができるという“死神ノート”を使って犯罪者を抹殺し、理想の世界を作り上げようとする夜神月(藤原)と、世界一の名探偵・L(松山)たちによる頭脳戦を描いた物語で、“ライバル”関係の役をそれぞれ演じていた。「ノイズ」では、死体を隠すために協力し合う“共犯”という反対の役を演じる。

2人は所属事務所が同じで、藤原が先輩。取材日が初めての宣伝イベントとなり、藤原が「なかなか話せないことも多いんですけれども、今日は松ケンの発言をしっかりとサポートしつつ、(ネタバレ)を食い止めつつ、最後まで頑張りたいと思います」とひとことあいさつすると、松山は「僕が話すのはここまでにして(笑い)。ただニコニコしていようかなと思っています」と冗談を交え話し、現場を和ませた。

映画のテーマは「島を守る、家族を守る」だ。テーマにちなみ、「守りたいものはなにか」と質問が及ぶと、藤原は「松ケンのネタバレを死守したい」と再び宣言。「いまのところは大丈夫」と安心する藤原に、松山は「ネタバレしたらもう1回、映画を撮り直すことになりますよ」と答え、笑いを誘った。

事前に募集した質問コーナーで“お互いにすごいと思うところ”についてのトークが繰り広げられると松山は、「竜也さんは、老けない。全然変わらないんですよ」と話した。これに藤原はすかさず「そんなことない。髪の毛真っ白になってきたよ!」と突っ込み笑った。

松山は「デスノート」公開時、21歳だった。当時と今を振り返り、藤原は「(ノイズ)クランクインのときに『緊張するね』って言ったら、松ケンが『何言ってるんですか。逆にホームに帰って来た感じです』って言ってきた。ある種の頼もしさや、堂々とやっていることへのうれしさを感じて、自分も頑張らなきゃな、と思わせてくれた。いい年の取り方をして、いい経験を積んでうまい役者さんになったんだなって」と松山の成長ぶりにしみじみ。

一方の松山は「(デスノートの時は)右も左もわからない状態だったんですけど、竜也さんの演技の迫力には圧倒されましたし、本当にすごい俳優さんだと思った。15年ぶりにやらせていただいて、改めて対峙(たいじ)して、さらにすごさがわかったというか、圧倒されっぱなしでした。絶対に追いつけないところにいらっしゃる、とんでもない先輩だなと改めて思いました」と尊敬のまなざしを送っていた。

終始、お互い突っ込みつつ突っ込まれつつ。仲むつまじい、旧友のような空気が現場には流れていた。共演は久々といえど、同じ事務所で刺激を与え合ってきた2人だからこそ醸し出せる“幼なじみ”としての空気感がきっとあるだろう。公開が楽しみだ。【三須佳夏】