俳優甲本雅裕(56)が11日、都内で初主演映画「高津川」(錦織良成監督)の公開記念舞台あいさつに、共演の戸田菜穂(47)大野いと(26)らと出席した。

錦織監督が撮り続ける島根県の清流、高津川を舞台に、同地の文化や自然、根ざした人々を描いた作品。19年11月に中国地方5県で先行公開されたが、コロナ禍で全国公開が約2年、先延ばしになっていた。

甲本は「待ち遠しかったですね、今日この日が。奇跡のように感じてます」と感極まり、「2年前に封切られる時には、当たり前だと思っていたことが当たり前ってなんだろうってことになって。今日ここで公開ができるということが、本当に全て。世の中の状況は大変ですけど、僕はベストな日に公開できてると思っています。幸せです」と力を込めた。

戸田も「本当に感無量です」。大野は「撮影から約3年半の月日が流れたんですけど、今日公開を迎えられてうれしいです」と喜び、「豊かで温かい映画です。皆さんに見ていただけることがとてもうれしいです」と笑顔を見せた。

最後に甲本は「世の中ぐちゃぐちゃです。嫌なことたくさんあります。心の中も頭の中もストレスでギュウギュウにパンパンになっていると思います」と話し、「この映画のみならず、テレビや演劇を見た時にほんの少しでも隙間が空いたら、楽しいことだけを、詰め込んでください。そしたらもう少し長生きできるんじゃないかと思います。誰かと話をする機会になったらいいなと思います。マスクをしてね」とユーモアも交えつつ呼び掛けた。