俳優水谷豊(69)監督の映画「太陽とボレロ」(6月公開)に石丸幹二(56)町田啓太(31)森マリア(21)が出演する。

水谷監督の映画は17年「TAP-THE LAST SHOW」、19年「轢き逃げ 最高の最悪な日」に続く第3弾。地方都市のアマチュア交響楽団を舞台にした作品で、檀れい演じる楽団主宰者の花村理子を中心に、音楽を愛する普通の人々が織りなす人間模様を描いたエンターテインメント作。

石丸は理子をサポートする中古車販売センター社長の鶴間役、町田は鶴間の会社で働くトランペット奏者の田ノ浦役、森は理子の洋装店で働くバイオリン奏者のあかり役で出演する。

劇団四季出身でミュージカルなどの舞台が多い石丸は、テレビ朝日系の音楽番組「題名のない音楽会」の司会やコンサートでオーケストラとも共演するなどクラシック音楽の分野でも活動している。水谷監督作品への出演を待望していたという石丸は「監督としての水谷さんはイソップ物語に出てくる太陽のような人だった。僕の芝居に寄り添う形で、想像をはるかに超えるシチュエーションに引っ張ってくださり、とても面白かった」と話した。

昨年の大河ドラマ「青天を衝け」に土方歳三役で出演した若手注目株の町田は「撮影は今まで味わったことのない感覚で終わってほしくない時間でした」と振り返り、小学生の時少し触れたトランペットは「夢に出るほど」練習したという。19年「ヤヌスの鏡」で連続ドラマデビューを果たし、映画初出演の森は「うまくいかず悩んだことも多かったのですが、監督がかけてくれた言葉が魔法みたいに、演技を楽しむ気持ちを持つことができました」。以前8年間習っていたバイオリンを徹底的に練習し直した。ともにオーケストラシーンではともにプロの演奏家との合奏に果敢に挑んだ。

水谷監督は「石丸さんが鶴間を演じてくださったことで交響楽団の存在がリアルなものになった。そして、鶴間の大人の優しさに何度となく癒やされる」と感謝し、若手2人を「魅力あふれる町田君のセンスが作品の中で光っている」「マリアちゃんは短期間の猛特訓で見事なバイオリニストになってくれた」と称賛した。