ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアの侵攻を受けて隣国などに避難する自国民のために3500万ドルの寄付金を集めた米俳優アシュトン・カッチャー(44)と女優ミラ・クニス(38)夫妻にビデオ電話で謝意を伝えた。ゼレンスキー大統領はツイッターで、「アシュトン・カッチャーとミラ・クニスは最初に私たちの悲しみに応えてくれた1人です。彼らはすでに3500万ドルを調達し、ウクライナの難民を支援するため(難民施設に救援物資を届ける団体)フレックスポートと(難民に無料で一時的な住居を提供することを表明している民泊仲介大手)エアビーアンドビーに送ってくれました」と感謝の意を示し、夫妻とビデオ通話するコンピューター画面の写真を投稿した。

クラウドファンディングサイト「GoFundMe」で3000万ドルの目標金額で募金集めを行い、自分たちも寄せられた金額と同額を最大300万ドルまで寄付することを表明していた夫妻は先週、目標金額に達したことを発表していた。クニスは、ソビエト連邦の一部だったウクライナのチェルノフツェ出身で、ソ連崩壊と同時に7歳だった1991年に家族とともに国を逃れて米国に移住している。

夫妻は、SNSに投稿した動画で6万5000人以上が寄付に協力してくれたことを明かし、支援に感謝すると同時に「私たちの仕事はまだ終わっていません。この募金で皆さんから寄せられた、あふれんばかりの愛が、助けを必要とする人たちに最大の影響を与えることができるよう、できることは全てするつもりです」と語り、今後も継続して支援を行っていく意向を示している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)