21年8月に新型コロナウイルス感染による肺炎のため82歳で亡くなった千葉真一さんが、授賞式恒例の追悼コーナーで紹介された。

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千葉さんは、2003年(平15)のクエンティン・タランティーノ監督の米映画「キル・ビル」に出演するなどし、国際派俳優として知られる。かつ格闘&武道家、殺陣やアクションの名手としても知られ、米国内では「格闘技の伝説」との異名もある。ステージにしつらえられたビジョンには「キル・ビル」の1シーンとみられる、日本刀をカメラに向けた千葉さんの映像が流れ

「SONNY CHIBA ACTOR MARTIAL ARTIST」

と紹介され、俳優だけでなく、格闘家としても、その偉業をたたえられた。

また、黒澤明監督の映画「乱」(85年)で、1986年(昭61)に衣装デザイン賞を受賞し、21年11月に84歳で亡くなったワダエミさんも紹介された。ビジョンには、着物を着て左手にオスカー像を持った、受賞時のワダさんの写真が映し出され「EMI WADA COSTUME DESIGNER」と紹介された。ワダさんは京都市立美術大(現京都市立芸術大)在学中に舞台の衣装を担当し、デザイナーの道に進むと、「乱」では綿密な時代考証に独自のアレンジを加え、糸を染め生地を織った衣装でオスカーを獲得。11年に死去した、元NHKディレクターで演出家の和田勉さんの妻としても知られる。

アカデミー賞授賞式では例年、当該年度内に亡くなった俳優、製作者ら世界的な映画人を追悼するコーナーが設けられている。前回は75年に外国語映画賞を受賞した黒澤監督の映画「デルス・ウザーラ」の製作に関わり、同年3月17日に亡くなった映画プロデューサーの原正人さんが日本人で、ただ1人紹介された。