ダチョウ倶楽部ネタのひとつ、熱湯風呂を一躍有名にしたのが、90年代に日曜午後に放送していた日本テレビ系「スーパーJOCKY」の「熱湯コマーシャル」だった。1本が生放送で、その後にもう1本収録。記者は2週間に1度、生本番と収録を見るために東京・麹町の日本テレビGスタに通った。

お笑い芸人は表と裏の顔が全く違っていて驚かされることがある。収録の合間にトイレで顔を合わせることが多かったが、上島さんは気さくにあいさつを交わして小便器に向かった。

93年には「聞いてないよォ」で流行語大賞を受賞。同年10月にはTBSで初の冠番組「王道バラエティー つかみはOK!」が始まった。記事の大きさに一番驚いていたのが上島さんだった。

上島さんにはスター意識が全くなかった。謙虚なのではなく、本当に普通の感覚を持った人だった。もちろん芸人としての性もたっぷり持ち合わせていた。もともと俳優志望だった上島さんは、ちょっとダメな、疲れたオヤジ役がはまっていたが、今年3月に終わった日本テレビ「真犯人フラグ」では謎の男を演じ、役者として幅も広がった。

東京のお笑い芸人は、萩本欽一、ビートたけしがステージに上がることがなくなり、上島さんが兄と慕った志村けんさんは20年3月に新型コロナウイルスで亡くなった。お笑い界を上から引っ張るリーダーというより、下から慕われることでまとめる人だった。じいさんになった上島さんの芝居を見たかった。突然の旅立ちが残念でならない。【小谷野俊哉】

 

◆主な相談窓口

・いのちの電話

ナビダイヤル=0570・783・556(午前10時~午後10時)

フリーダイヤル=0120・783・556(午後4時~同9時。毎月10日は午前8時~11日午前8時)

・日本いのちの電話連盟