日本テレビのプロ野球中継をはじめとするスポーツ実況などで活躍した同局の河村亮アナウンサーが、脳出血のため14日に死去した。54歳。同局が16日、公表した。通夜、葬儀は近親者のみで執り行う予定。

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河村亮アナウンサーはとても取材熱心だった。巨人が遠征から東京ドームに帰って来ると、試合前の練習取材の間に、よく彼から声をかけられた。

「松井のホームラン、すごかったですね。甲子園のスタンドのどのあたりまで飛びました?」

「長嶋さんが清原にバントのサインを出したあと、巨人ベンチや球場の雰囲気はどんな感じでしたか?」

担当球団をほぼ365日追いかける新聞記者と違い、実況アナウンサーは実際にしゃべるとき以外は、なかなか球場に来られない。遠征先について行けない代わりに、河村さんはビジターでの出来事を選手、コーチ、そして私たちにまで聞き回った。そんなアナウンサーは彼くらいだった。

そういう姿勢で仕事をしていたから、選手にも信頼されていた。お酒を飲みながら選手と野球談議に花を咲かせたことをうれしそうに話してくれたこともある。とにかく、相手の目をまっすぐに見て、話す。誰からも好かれ、信頼されるアナウンサーだった。【元巨人担当・沢田啓太郎】

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