オーディション番組がアツい! 日中韓9人組ガールズグループKep1er(ケプラー)など、オーディション出身グループが、世界的規模で活躍中だ。ABEMA(アベマ)では、Kep1erが誕生した(21年の)韓国オーディション番組「Girls Planet999:少女祭典(ガルプラ)」などを日本で独占無料放送した。同社K戦略プロデューサー・秋田のぞみ氏(36)に、オーディションブームの理由や、同社の狙いを聞いた。
アベマではこれまで、ガルプラや、日韓含む多国籍7人組ボーイズグループ、ENHYPEN(エンハイプン)が誕生した(20年の)「I-LAND」など、複数のオーディション番組を日本で独占無料放送してきた。秋田氏は、韓国放送局など権利元との交渉や契約、社内では番組責任者としての目標責任やマーケティングを担当している。
単刀直入に、なぜこんなにオーディション番組が多いのか。
「韓国では、毎年数十組がデビューしています。なので、デビューのスタートをうまく切れないと、埋もれていってしまいます。その時、好調なスタートを切るには、オーディション番組が有効です。韓国の事務所は、オーディション番組をPRの一環として考えているイメージです。ゼロからデビューするより、オーディション番組からデビューした方が、デビュー前にファンが多くいる状態でうまくいく。そのため、オーディション番組の数が多くなっていると思います」
最初のきっかけは。
「きっかけは、『Wanna One』が誕生した(17年の)『PRODUCE101 シーズン2』だと思います。当時、韓国では社会現象になるほどでした。番組に熱狂する視聴者も多く、その結果、ファンが多くいる状態が作れたことで、デビューもうまくいきました」
では、日本で注目されたのは。
「NiziUが誕生した、(20年の)『Nizi Project』が火つけになったと思います。ガルプラがすごく注目していただけたのも、その影響があると思います。韓国のオーディション番組を見るハードルが下がっていた、土壌が整っていたことで見てもらえたと思います」
オーディション出身グループの強みは。
「普通にデビューしたグループの場合、最初に見るのはステージなどパフォーマンスシーン。でもオーディション番組を通すと、その子の人間性の魅力もわかる。パフォーマンスだけでは見えない部分ですよね。人として好きになるというのは、オーディションからデビューするグループの、1つの強みになっているのかなと思います」
アベマでは「韓流・華流ドラマチャンネル」が2つ、さらに「K WORLDチャンネル」という計3つのチャンネルがある。開設の経緯は。
「1つ目の『韓流・華流ドラマチャンネル』は、16年に開設しました。韓国ドラマの特徴は、継続的に視聴してくれている熱狂的なファンが多いこと。韓国ドラマの面白さを、アベマを通して裾野を広げたいと思い開設しました。オーディション番組を放送・配信している『K WORLDチャンネル』は、17年に立ち上げました」
狙いは。
「今とチャンネルを開設した当時では狙いが変わっています。当時は主にコアファンをターゲットにしていましたが、今はコアファンも大切にした上で、アベマの放送をきっかけに、韓国の番組を幅広い方に知っていただくことに重きを置いています。オーディション番組はまさにそれです」
コアからライトに切り替えた理由は。
「初めてアベマで日韓同時でオーディション番組を放送したのは(19年の)『PRODUCE X 101』でした。その当時は、韓国のコンテンツが好きな人をターゲットにしていましたが、最終回の生放送がSNS上で、予想以上の反響がありました。オーディション番組は見始めると面白く、最後まで見続けてもらえる可能性があるんじゃないかと。そこで視聴層を広げるために話題性を一番最初に意識したのは、『I-LAND』を放送した20年です」
話題性という点では、SNSが重要ツールか。
「とても重要です。私たちが求めているのはユーザー同士が会話をして、どんどん盛り上げていってくれること。それが視聴につながりやすいと考えています。なので、ただ情報を出すというより、盛り上げやすい環境や場を作ること、そういう仕掛けをしていくことを重要にしています」
アベマでは、無料で見られることも強みか。
「アベマは『新しい未来のテレビ』を目指しています。テレビの良さをインターネットで生かしていきたいので、まずは無料で楽しんでもらいたいと思っています。オーディション番組がきっかけで、初めてアベマを見てもらえたり、休眠ユーザーが戻ってくることが多いんですよね。収益化することももちろん重要ですが、視聴者を増やすことも重要なので、まずは無料で視聴できるということを大切にしています」
では、今後の狙いは。
「アベマの狙いは、コアユーザー以外にも裾野を広げていくことです。なので、世の中で話題になり、それがきっかけで番組を知ってもらって、いかに多くの人に番組を見てもらえるかが重要になってきます。今後もガルプラ以上に盛り上げることが出来るよう、アベマの宣伝ノウハウや無料の強みを合わせて、流行を生み出していきたいです。そして、オーディション番組というジャンルを確立していきたいと思っています!」【佐藤勝亮】
◆秋田(あきた)のぞみ 1985年(昭60)8月24日、兵庫県生まれ。08年サイバーエージェント入社。入社後はインターネット広告事業本部にて営業を担当。15年9月よりAbemaTVに出向し、編成調達プロデューサーとして複数のチャンネルを開設・担当。16年「韓流・華流ドラマチャンネル」、17年「K WORLDチャンネル」を開設・担当。アジアグローバル部部長を経て、現職。
◆青春スター 現在アベマで放送中の日韓男女グローバルオーディション番組。世界中から厳選された、男女総勢108人の参加者たちが「アイドル」「ボーカル」「シンガーソングライター」の3派で争う。最終TOP7はデビューが確定し、栄光の1位に輝いた参加者には次世代“青春スター”の座と、1億ウォンの賞金が与えられる。最終的に勝ち残った参加者は、日本の大手レコード会社からもデビュー予定。



