女優矢崎希菜(21)が、TBS系ドラマ「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」(火曜深夜1時28分、MBSは同0時59分)で地下アイドル「メロりん」役を体当たりで熱演し、注目を集めている。5歳から続けている阿波おどりで鍛えた強靱(きょうじん)な足腰と美貌がチャームポイント。何でも演じられる“カメレオン女優”になることが目標だ。【松本久】

   ◇   ◇   ◇

「メロりん」はホストにはまり、闇金で借金をする地下アイドルだ。「撮影は実際のホストクラブを使ってしました。初めて行ったのですが、テレビで見るのと同じでちょっと薄暗い感じだった」と初々しく撮影を振り返った。

画面を通して見る歌もダンスもビシッと決まっている。約10年やっていたモダンバレエの効果かと聞いてみると「それが全然違うんです」。同じ“ダンス”でも、両者はリズム感などが全く異なり、「覚えるので精いっぱいみたいな感じでした。何度も練習をしてドキドキしながら撮影をやっていたんです」と明かした。

山口雅俊監督は、撮影現場で台本をひんぱんに変更することで知られる。「山口監督から、台本と異なることをその場でメモを渡されてやるんです。それが何度もあって対応力をすごく鍛えられました。体を張った演技もたくさんあるし、コメディーチックな要素もある。これまでにない新しい挑戦をさせてもらったことで『やり切る力』が付いたと思います」と自信も見せた。「負けず嫌いな性格」と公言するだけに、目の前に現れたハードルを1つ1つクリアしながら女優として着実に進化を遂げている。

芸能事務所「サンズエンタテインメント」にスカウトされたのが約7年前。それからは演技だけでなく、5歳から16年続けている阿波おどりで鍛えた健康美と美貌で「丸美屋」「日本コカ・コーラ アクエリアス」「ミスタードーナツ」などのCMに多数出演してきた。

ただ、矢崎自身は「女優1本でやっていきたい」と言い切る。「NHKの『朝ドラ』に出たいんです。そして、杉咲花さんみたいに作品ごとに全く異なる演技をしたい」。

事務所会長でもある野田義治氏(76)がマネジャー役。かつて、雛形あきこや小池栄子らを売り出して「巨乳ブーム」のきっかけを作った自称「巨乳バカ一代」だ。その野田氏が「阿波おどりのチームでずっとセンターをやってきた。何かを持っている。足腰もしっかりしている。ちょっと育てたい子なんです」。バストではなく、素材と根性にほれ込んでいる。

プロ野球は巨人ファン。演技派女優になる目標のほか、もう1つの夢は「巨人戦の始球式で投げること。もっと有名になったらぜひやりたい」。その日に備え、今は“一役入魂”で演技に打ち込んでいる。

◆矢崎希菜(やざき・きな) 2001年(平13)3月24日生まれ。東京都出身。16年に舞台「シッソウノオト」で女優デビュー。19年に「神の発明。悪魔の発明。」で映画初主演。9月3日公開の映画「消えない虹」にも出演。趣味は阿波おどり、モダンバレエ、バスケットボール。160センチ。血液型A。

◆ドラマ「闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん」 累計2100万部突破の「闇金ウシジマくん」(全46巻)と「闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん」(全5巻)の漫画2冊が原作。法外な金利で金貸しをするヤミ金融業者と債務者たちの人間模様や社会の闇を描いたシリーズ。10年に山田孝之主演でドラマ化、その後に映画化もされ、スピンオフ作品も含めると10タイトルの実写版が出ている。今作は高橋メアリージュンが主演。TBS系は火曜深夜1時28分、MBSは同0時59分放送。全15話。