デビュー45年を迎えたフォークシンガー松山千春(66)が7日、秋のコンサートツアーを、神奈川・厚木市文化会館からスタートさせた。全国24都市で全25公演。ファイナルは12月21、22日の札幌のカナモトホール(札幌市民ホール)。

今回のコンサートを前に、千春は元プロ野球西鉄(現西武)投手で、70年に「黒い霧事件」のために永久失格となり、その後、05年に処分が解除された池永正明さん、落語家三遊亭円楽さん、さらに元プロレスラーで参院議員でもあったアントニオ猪木さんが亡くなったことに大きなショックを受けたという。

「みんな仲が良かったからな。これだけ立て続けに亡くなると気落ちもするよ。亡くなるちょっと前だったが、猪木さんから電話があって、電話に出たらいきなり『元気ですかー』って。すると『今、車で足寄を走っていたので、千春さんに一言電話をしないと…』って言うんだよ。とにかく、会えば『元気ですかー』って。印象的だったな」と振り返り、その上で「俺は、ジャイアント馬場さんとも仲良かったからな、2人の関係も見てきたし、そういった意味では余計に頑張って欲しかった」と悼んだ。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻には「たった1人の権力者、プーチン大統領の蛮行によって、多くの犠牲者が出ている。考えられないことだ」などと、心苦しさを語った。

「優しい風」で幕を開けたステージは、「時のいたずら」「あなたへの愛」と続いた。「昔の曲はもちろんだが、久しぶりに歌う曲、これまでコンサートの中では歌ったことのなかった曲も盛り込んでいる」と、幅広い層に聴いてもらうことを意識した構成となっている。

「センチメンタル」や「決意」など「歌いながら、あらためて『こんな詞だったんだ』とか『こんな気持ちで作ったんだよな』って思ったりしたけど、今回のコンサートは、これが松山千春の66年だと思えるようなステージを見せていきたい」と意欲を見せた。

「久しぶりに歌ったので筋肉が痛い」と苦笑いする千春。アンコールを含め17曲を熱唱した。

関東地方の公演は10月18日に千葉・市川市文化会館、22日に茨城・結城市民文化センターアクロス、11月15日に埼玉・飯能市民会館と回り、17日に東京・有楽町の東京国際フォーラム・ホールAで予定している。