テニスの4大大会全豪オープン男子で準決勝進出を果たしたノバク・ジョコビッチ(35=セルビア)の父親が27日、準々決勝後にロシアのプーチン大統領を支持するファンと記念撮影したことが物議を醸していることを受け、同日行なわれる準決勝の会場を訪れないことを発表した。駐オーストラリアのウクライナ大使が、父親のスルジャン氏を「出禁」にするよう求めていた。

同氏は、25日にジョコビッチが準決勝進出を決めた後、メインコートの外でプーチン大統領の顔写真が入った国旗を手にする男性らと記念撮影する様子を撮影した動画がネットに投稿され、批判を浴びていた。一緒にいた集団の中にはロシアのウクライナ侵攻を支持する「Z」の文字が書かれたTシャツを着用していた男性もいたと報じられている。

「息子の勝利を祝って一緒に記念撮影したが、巻き込まれるつもりはなかった。息子をサポートするためだけに来ている。このような見出しや混乱を引き起こすつもりはなかった」と釈明。「私の家族は戦争の恐怖を経験してきたので、平和だけを願っている」と述べ、混乱が生じることを避けるため準決勝は観戦しない意向を示した。

今大会ではロシアとベラルーシの国旗の持ち込みが禁じられており、同国の選手は中立の立場で出場している。報道によると、スルジャン氏と記念撮影した集団は、会場でもロシア国旗を掲げたため、警察と警備チームによって退場させられていたという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)