先月29日に膵臓(すいぞう)がんのため亡くなったロックバンド、シーナ&ロケッツのリーダーでギタリストの鮎川誠(あゆかわ・まこと)さんの“ロック葬”が4日、東京・世田谷区の「星かげの迎賓館」で執り行われた。祭壇はバルーンや花で埋め尽くされ、ステージ衣装や愛用したギター8台、レコード15枚などゆかりの品で飾られた。

当初は妻で15年になくなったシーナさんの葬儀場で執り行う予定だったが、急きょ場所が変更に。しかし、シーナさんの時と同様“ロック葬”と銘打ち、「RUMOUR」「BIG BOSS MAN」などの楽曲がメドレーで会場に流れる葬儀となった。

取材に応じた喪主の長女でモデル・画家の陽子(46)は「お父さんありがとうっていいました」と最後にかけた言葉を明かし、「レスポールを弾いているお父さんは世界一カッコよくてファンの皆さまにも愛されて本当に幸せだったと思います。こんなにカッコいいお父さんは世界中にいないです」と話した。

遺影は、14年リリースのアルバム「ロケットライド」の際に撮影したもので、娘3人で話し合って決めたという。自身も画家やモデルとして活動するが「お父さんたちは、ライブを一度しかないという気持ちでやっていた。そういうのが大好き。お父さんみたいな表現者になりたくて、そういう風になりたいと思います」と父の意志を引き継ぐことを誓った。

◆鮎川誠(あゆかわ・まこと)1948年(昭23)5月2日、福岡・久留米市生まれ。九州で人気を博したグループ「サンハウス」を率い、九大在学中にシーナさん(故悦子さん)と出会い、妊娠を機に75年に結婚。3人の娘をもうけた。78年にシーナ&ロケッツを結成し「涙のハイウェイ」でデビュー。88年にTBS日曜劇場「男たちのフツーの週末」でドラマデビュー、01年にはNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で朝ドラに出演する役者としても活躍した。