東京映画記者会(日刊スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)主催の第65回(22年度)ブルーリボン賞が23日までに決定し、嵐の二宮和也(39)が「ラーゲリより愛を込めて」(瀬々敬久監督)で主演男優賞を受賞した。ジャニーズ事務所からは、同事務所所属の現役俳優で初受賞した岡田准一(42)に続き、2年連続での受賞となった。

二宮は、岡田が15年に日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を取った翌年の16年に自身が同賞を受賞したのに続く、2度目の連続受賞だと自ら口にした。「不思議な縁だなと思っていて。僕、日本アカデミー賞をいただいたのも、岡田さんの次の年なんですよ。だから、あの人には賞を、いっぱい取ってもらいたいなと思っていて…自動的に回ってくるシステムなのかなと」とジョークを交えて喜んだ。そして「見逃せないですよね、岡田准一のことが…次、何を取るんだ? と。取ったら、取ったでワクワクしますよね、次は俺か? と。本当に、すごい人だと思いますね」と笑った。

岡田は昨年度、「燃えよ剣」(原田眞人監督)と「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(江口カン監督)で主演男優賞を受賞した。二宮は岡田の受賞の一報を聞いた際に「ファブル-」が受賞対象作になった意義を感じたという。「ああいう性質の作品を評価されるのが、あの人にとって褒美だと思うし。割と全開でエンタメしている作品だったので。出る側として、そういう作品が(選考の)テーブルに乗っかるんだと、しかも、すごかったねと言ってもらう世の中というのは、岡田君がもらったというのと同時に、また違った形で、うれしみがあったことを覚えていますね」と振り返った。

岡田に続いて日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した際に、21年に93歳で亡くなった藤島メリー泰子名誉会長からかけられた、祝福の言葉を思い起こしたという。

「メリーさんに『2年連続で取るのは、あんたは本当にすごいことをやったんだよ。1年目でドカッと取るのは割とあったにしても、2年連続で同じ事務所の人間が同じ賞を取るのは、すごいことなんだ』と言ってもらったのは、いまだに覚えていて。今回、ブルーリボン賞でまさに同じことが起きて。だからそういう時くらいは、すごいことをやったと思って良いのかなと思うところですし…。シンプルにうれしいですよね」と笑みを浮かべた。

主演男・女優賞受賞者は、翌年の授賞式の司会を務めるのが恒例となっている。コロナ禍で授賞式の開催は、ここ3年、見送られているが24年に授賞式が開催された場合、ブルーリボン賞最高齢受賞を成し遂げた、倍賞千恵子(81)と司会を務めることになる。二宮は「ちょうど、倍賞さんと司会やりたいな、2人で…と思っていたんで」と目を輝かせた。

そして「セレモニー的な司会をやることが、そもそもないので。会場に来てくださる俳優さん、女優さんが割となじみの人だったら良いですけど、なじみじゃなかったりした時に、どこまでいじっていいのかとか。お祝い事だから、いいか…でも、ここまで言うとダメなのかな? みたいなのがあったりする」と、早くも脳内で司会のシミュレーションを始めた。

こうしたい、という授賞式のイメージもできている。「僕は、せっかくだったら楽しい時間にしたいので、全力で…あいつ、生き生きしていたなと皆さんに言ってもらいたいですね。本来だったら岡田准一が司会をやるはずだったんですよね?」と言い、笑った。【村上幸将】

◆ブルーリボン賞 1950年(昭25)創設。「青空のもとで取材した記者が選出する賞」が名前の由来。当初は一般紙が主催も61年に脱退し67~74年の中断を経て、東京映画記者会主催で75年に再開。ペンが記者の象徴であることから副賞は万年筆。新型コロナウイルス感染拡大防止のため授賞式は3年連続で開催を見送ってきたが主演男、女優賞受賞者が翌年の授賞式で司会を務めるのが恒例。