テレビ東京は30日、新入社員の初任給の10%引き上げを発表した。4月から大卒は基本給25万6000円に固定手当を上積みして28万1600円、大学院卒も従来の26万5000円に固定手当を加えた29万1500円に増額する。今回の施策により、社員のモチベーション向上と優秀な人材の確保を目指す。

また20代から30代半ばを中心とする若手世代についても、基本給の10%分に相当する固定手当を支給することで給与を底上げする。さらに嘱託社員については基本給を8・6%、職務を限定した専門社員の基本給も4・3%増やす。

同局は「当社は人材を成長力の源泉と位置付け、人的資本への投資を強化しています。2020年度には人事賃金制度を抜本的に見直して基本給を平均約8%引き上げるとともに、年齢給を廃止し、役割に応じた賃金体系に切り替えました。また合わせて業績連動の割合も高めました」と経緯を説明。2022年度通期の営業利益が過去最高を更新する見通しであることも明かし「新しい賃金制度に基づき社員への還元を一層進めてまいります」とした。

この日の定例社長会見に出席した石川一郎社長は「若い層の給与を引き上げましたが、ベテランの方を軽視しているわけでは全くありません」とし「テレビのこれからを考えた時に、若い人たちを何とか鼓舞してあげたいということと、日本が急速に少子化している中で、若い人に余裕を持ってもらうことがこの国の将来のためにも重要だということで、今回、若干ではありますけど、策をとらせていただいたということでございます」と語った。