演歌歌手西方裕之(62)が、22年2月に発売した「おまえひとりさ」のミュージックビデオ(MV)が、YouTubeで演歌では異例の113万回再生を記録している。アンサーソングの昨年11月発売の「倖せふたり」も、現在、22万回再生。1987年(昭62)に昭和の終わりにデビューした、朗々とした歌声とおもしろトークで知られる男に聞いてみた。【小谷野俊哉】

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年配のファンが多い演歌では、異例のYouTube再生回数。「おまえひとりさ」は、2年かけて再生数を伸ばし、今年の元日に100万回再生を超えてからも、順調に数字を伸ばしている。

「なんでしょうね、YouTubeっていうのは。趣味がDIYで、家の修理とかで分からないことがあると見るくらいだったんで、全然知識もないんでね。それが、自分の歌がアップされていて100万再生を、今年の元日に超えたって聞きまして。実感というのは、いまだにないんですよ」

「おまえひとり」が発売された22年2月は、まだコロナ禍の最中だった。

「コロナも、もうすぐ終わるだろうと思ってた時に出したんです。最近でこそ、ちょこちょこ人前で歌うようになりましたけど、YouTubeにアップされた時は、人前で10回も歌ってなかったんですよ。自分は、何回も歌を重ねて歌っていくことで、なんとなく歌が自分に寄ってきたなっていう感じがするんですけどね。全然違う形で、自分の歌が勝手に1人歩きしてくれていた。でもね、やっぱりファンは待っていてくれたんだと思いました」

年配のファンたちが一生懸命、YouTubeを見ることで数字が伸びた。そして、昨年11月に発売した「倖せふたり」も22万回再生と伸びている。

「動画とかYouTubeを見ない人たちが100万回再生させてるっていうのが、自分としてはやっぱり一番のうれしいです。まあね、若い人たちが見ているYouTubeとは、桁は違うんですけどね。演歌にとっては大きな変化だから、やっぱりちょっと価値があるのかなっていう風には感じてはいます」

コロナ禍が明けて、人前で歌うことを楽しんでいる。

「お客さんが楽しそうっていうかね、顔が見えるんで。たくさん出演者がいるステージでは、それぞれあの辺はこの人のひいきだなとかいうのを思いながらやっています。時計を見ている人がいたら、自分がしゃべりすぎたら長くなるから止めようとかね」

87年、26歳の時にデビュー。37年がたった。

「言われてみれば、昭和デビューですね。自分とかは駆け出しの時から、キャンペーンがメインの仕事みたいな感じだったんですよ。急にドンって売れるわけじゃなくて。だから、お客さんが近いところで見てくれて、自分が歌うっていうのが一番。なんかもう、自分の原点なんで」(続く)

◆西方裕之(にしかた・ひろゆき)1961年(昭36)7月1日、佐賀県唐津市生まれ。87年7月に「北海酔虎伝」でデビューし、新宿音楽祭銅賞、横浜音楽祭新人奨励賞を受賞。代表曲は「遠花火」「夢追い川」、日本有線大賞有線音楽賞受賞の「恋路川」、「赤とんぼ」、「湯けむりの宿」、「男なら~平成節~」など。趣味はアコースティックギター(約30本所持)と折りたたみ自転車(10台)、車、DIYの日曜大工。165センチ。血液型B。