広瀬すず(27)が「遠い山なみの光」「アット・ザ・ベンチ」「ゆきてかへらぬ」「片思い世界」「宝島」で最優秀女優賞を受賞した。「流浪の月」(李相日監督)で受賞した22年以来、3年ぶりの同賞受賞となった。

ノーベル文学賞受賞作家イシグロ氏の、1982年(昭57)の長編デビュー作を映画化した「遠い山なみの光」(石川慶監督)では、同氏が生まれた50年代の長崎と80年代の英国を舞台に、広瀬が長崎在住時代に原爆を経験した悦子を演じた。戦後に英国に渡って以降の80年代の悦子は吉田羊と、悦子は2人1役で演じた。広瀬が参加した日本・長崎での撮影後、英国パートを撮影しており、吉田の撮影は主に英国で行われた。

広瀬は、吉田と2人1役を演じたことについて聞かれ「羊さんが1回だけ、遊びに来て下さった。『1シーンだけ見たい』と言って」と、撮影現場に吉田が訪ねてきたと振り返った。ただ、自身は英国パートの撮影には参加しておらず「(映画が)できて、自分の将来って、こうなっていたんだ。あぁ、悦子の将来って…という思い」と、本編で初めて30年後の悦子を演じた吉田の姿を見て、感慨を覚えたと語った。

役作りについて聞かれると「この作品の女性という立場、存在の仕方が違う色に見えた。独特の景色の見え方がなかなかつかめず、、こうして欲しいと言うよりかは監督と『そういう方向性で』と、しゃべってパッとつかむのに時間がかかった。当時の女性を演じるのは勉強になった」と振り返った。そして「衣装や色味が悦子を演じる上でパワーをもらえた術。当時、長崎に張っていないな、というような障子だったり、役に1つエネルギーになった」と衣装、美術が助けになったと感謝した。

この1年を振り返り「手触りがない中、進んだけれど、役者人生としては濃厚な1年だった」とも語った。