俳優の香川照之(60)、中村アン(38)らが21日、都内で行われた映画「災 劇場版」(関友太郎監督、平瀬謙太朗監督)公開記念舞台あいさつに登壇した。

WOWOWの「連続ドラマ W」を再構築し、全く新しい「恐怖」を描く映画として生まれ変わったサイコ・サスペンス映画で、昨年には第73回サン・セバスティアン国際映画祭のコンペティション部門に正式招待された。交わることのない6人の日常に紛れ込んだ、ひとりの男がもたらす災いが描かれる。

関監督、平瀬監督にとって、香川とのタッグは映画「宮松と山下」に続いてとなる。香川は、何役もの「男」を演じる今回のオファーについて、「僕自身、60になりましたが、僕が映画のエキスとして感じていたこと、『何が怖いのか? 何が面白いのか? 何が笑いなのか? 何が泣くことなのか?』、それがこの歳になっても今の若い世代と共通項があるのか? 常に確かめないといけない。(関監督と平瀬監督は)その共通項を確かめるにふさわしい2人なんです」と説明。「30代の2人と、この感覚が果たして正しいのか? 確かめたいという気持ちがあり、この2人との仕事は、それを再認識するいい機会なんです」と出演に至った経緯を明かした。

舞台あいさつの最後に香川は「私自身、役者をずっとやってきまして、60を超えて、いつまでできるかわかりません。その中で、キャリアの中盤では、『半沢直樹』のような、みなさまにとってわかりやすい“悪役”をやらせていただきました」と自身のキャリアを回想。「一方で、『東京ソナタ』や『クリーピー 偽りの隣人』のようなフィルムノワールの中の“陰”の男もやらせていただきました。今回は、その後者の集大成だったと思います。今回の6役を経て、もうやることがないので、劇場で私の姿を見られるのは、もう最後かもしれません。僕の中では“陽”の方向の悪役と“陰”のタイプの悪役の集大成が整ったという感覚です。なので、ひとりでも多くの方に見ていただきたいと思っています」と本作への強い思いを口にした。