5月12日にフランスで開幕する、世界3大映画祭の1つ、第79回カンヌ映画祭ラインアップ発表会見が9日、フランスで開かれた。

革新的な作品を選ぶ「ある視点」部門に、岸井ゆきの(34)主演の岨手由貴子監督(43)の新作「すべて真夜中の恋人たち」(今秋公開)が選ばれた。岸井と、脚本も手がけた岨手監督にとって、初のカンヌ映画祭出品となる。岸井は「ただただ映画が大好きな自分にとっては、このうえない、人生のギフト」と感激した。

「すべて真夜中の恋人たち」は、芥川賞作家・川上未映子氏(49)の長編小説の初映像化作品。出品決定を受け、岸井演じる冬子と浅野忠信(52)演じる三束が冬の夜に向かい合い、手の甲が触れそうで触れない、はかなげな場面を捉えた場面写真が公開された。

浅野は、黒沢清監督(70)が、ある視点部門で監督賞を受賞した15年「岸辺の旅」、翌16年には深田晃司監督(46)が同部門審査員賞を受賞した「淵に立つ」に主演するなどしてカンヌ映画祭に参加経験がある。岸井、浅野、岨手監督はコメントを発表した。

岨手由貴子監督 この作品がカンヌという舞台で上映されることに大変興奮しております。私自身もまだ編集室のモニターや試写室の小さなスクリーンでしか観ていない映画です。歴史ある映画祭の大きなスクリーンで、世界中から集まった方々と鑑賞できると思うと、今から武者震いが止まりません。

岸井ゆきの 『すべて真夜中の恋人たち』が、「ある視点」部門に選出されました。主人公である冬子は、三束さんに出会い、この世で自分だけが彼を知っているような、他人には到底理解できない美しさを共有しているような、特別な時間を過ごします。彼らがこれから出会う景色がどうか幸せであるようにと願っていましたが、思いがけずカンヌまで届きました。全力で手を取り合った日々を忘れることはできません。すべての関係者に心から感謝致します。そしてただただ映画が大好きな自分にとっては、このうえない、人生のギフトです。どんな景色に出会えるのか、楽しみにしています。

浅野忠信 我々の映画『すべて真夜中の恋人たち』がカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に選ばれとてもうれしいです。三束という役はとても作りがいのある役でした。早く皆さんに観てもらいたいです。