日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長(49)と、NHKの井上樹彦会長(68)が29日、都内のNHKで同局の経営広報番組「どーも、NHK」(日曜日午前10時35分、総合)の収録で特別対談した。サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会を、NHKが地上波とBSで全104試合放送することを受けて、対談の最後に宮本会長が「お聞きしたいのが、今回のW杯、放映権が高騰化したことです。将来にわたって(放映権が)高くなっていったとしても、放送の実現に向けてトライしていただけるということでしょうか」と質問した。

NHKの井上会長は「『これはNHKだろ』というコンテンツってあると思うんですよ。それはスポーツイベントだけじゃなくても。国の一大事、大きな災害とか。大事なことは、公共メディアとして、NHKがやることだと思うんです。オリンピックやW杯も『これはNHKがやってほしい』というイベントだと思うんですよね。できるだけ我々は、それに応えていきたい気持ちがあるんです。今回も、そういう気持ちで、放送、配信するんですけど、一方では、受信料でまかなっているNHKとしては、何でも、そういった形で、お金に糸目をつけないわけにもいかない。ここが難しいところなんですけど。それと、おっしゃる通り、スポーツの放送権がどんどん高騰している。でも、スポーツを越えた意味がW杯にはあるので、何とか、いろんな知恵を集めて、普通の人が、普通に見られるような視聴環境を、NHKとしてはつくっていきたいと考えています。W杯、あるいはオリンピックといった、みんなに勇気と生きる力を与えるような、そういったスポーツイベントについては、そういった方針を取っていきたいと思っているところです」と、言葉に力を込めて話した。

この答えに宮本会長は「非常に力強い言葉という。『NHKだから』『我々がやるべきこと』みたいな、リーダーの方のすごく重い言葉だなと感じました。すごく勉強になりました」と、感銘を受けた様子だった。井上会長は「日本のできるだけ多くの人が見られる環境ということであれば、いろんな考え方、やり方があると思うんですよね。これまでの固定観念とかにとらわれずに。とにかく幅広く、サッカーの魅力とか、スポーツの魅力を送り出していきたい」と再び力説。78年アルゼンチン大会からW杯を放送し続けているNHKの誇り。さらに、自身も小学生のころにサッカーをしていて、実子は小中高とサッカーを続け、応援にもたびたび駆けつけていた1人のサッカー好きとして、W杯の試合をより多くの人に見てもらいたい思いを打ち明けていた。