NHKは16日、都内の同局で定例会見を行った。今月9日付で、相手方の同意なく性的な身体接触を行った20代記者の職員に最も重い懲戒免職の処分としたこと、先月の緊急会見で発表した職員が番組の出演者から意に沿わない性被害に遭い欠勤・休職に追い込まれた事案について、会見に出席した井上樹彦会長が謝罪した。
まず同会長は自ら職員の懲戒免職について切り出し「視聴者の皆さま、関係する皆さまの信頼を損なうことになったことについて、深くお詫び申し上げます」として、着席した状態で約5秒間、頭を下げた。さらに「人権侵害やハラスメントなどの不適切な行為は、断じて許されるものではありません。今後も厳正に対処していきます」と述べ、再発防止を誓った。
次に職員の性被害についても触れ「2つの事案は、それぞれ個別の問題ではなく、人権、人格の尊重を組織文化として十分に根付かせることができていたのか、改めて問い直すべき事案であると受け止めています」とし、組織全体としてのありかたを見つめ直すべきと説明した。
また、双方とも飲酒を伴う事案ということもあり「飲酒を伴う会食の意義を否定するものではありませんが、リスクを軽視できません。何らかの対策を講じる必要がある」とした上で、これまでの慣例についても、慎重に見つめ直すことの必要性を訴えていた。
「何らかの対策」について、同会長は「ガイドラインのようなものを示せないかと考えています。会食というのは、コミュニケーション、信頼関係をつくる意味もあると思います。そうした効果の面を損なうことなく、一方でリスク管理、健康管理の点から、どういうことができるのか。他の企業の例も参考にしながら、検討するよう指示しました。これからの検討の状況にもよりますが、できるだけ早く打ち出したいというふうに思っています」と、飲酒を伴う会食が、全て従来通りとはいかなくなる可能性が高まると示唆した。
また、報道陣からは、双方の事案について公開している情報量が少ないとの指摘を受けた。NHKは被害者が特定されることなどを懸念したための対応と説明したが、報道陣からはさらに、個人が特定される部分だけを黒塗りにした文書など、今後、追加で発表する予定があるか問われた。これについて井上会長は「公表できる内容については明らかにしていると認識しています。必要に応じて、これからも丁寧に説明していきたいと思っています」と話し、被害者特定を防ぐために、明確には回答しなかった。



