気の良いお父さんから悪役まで幅広い役を演じた俳優金田龍之介(かねだ・りゅうのすけ、本名同じ)さんが3月31日午前2時13分、慢性腎不全のため埼玉県草加市の病院で亡くなった。80歳。通夜は4日午後6時から、告別式は5日午後1時から埼玉県越谷市南越谷2の5の6、東冠メモリアルプラザ越谷で営まれる。喪主は妻満里子(まりこ)さん。

 糖尿病のため週3回人工透析に通っていたが、足のつめを切った際に深づめし、雑菌が入り化膿(かのう)。歩行も困難になり、3月26日に入院した。27日には付き人に趣味の絵の材料を頼むなど元気だったが、容体が急変し、家族は臨終に間に合わなかった。

 5歳で初舞台を踏み、化粧品会社に勤めながら演劇活動を続け、56年に新派に入団。大きな目と170センチに100キロの体格を生かし、すごみのある悪役から実直な善人まで幅広い役を演じ、脇役として活躍した。市川猿之助のスーパー歌舞伎の常連で、昨年3月から6月まで「ヤマトタケル」に出演、8月の21世紀歌舞伎組「新水滸伝」が最後の舞台となった。

 若いころは二枚目だったが、70年ごろに存在感のある役に合うよう意識して太り始め、一時は110キロまでなった。多くのドラマや映画に欠かせない存在で、舞台「王女メディア」1人芝居「円空」に出演し、菊田一夫演劇賞を受けた。

 [2009年4月1日7時7分

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