シンガー・ソングライター槙原敬之(40)が「『銀河鉄道999』のセリフを無断で使用された」と槙原を非難した漫画家松本零士氏(71)に対し、名誉を傷つけられたとして損害賠償などを求めた訴訟が26日、知的財産高等裁判所(中野哲弘裁判長)で和解が成立した。2人はこの日、裁判所で会い、松本氏が槙原に謝罪することで和解が合意。お互いが納得して握手をしたという。

 盗作騒動は槙原が作詞作曲した「約束の場所」(歌はケミストリー)の「夢は時間を裏切らない

 時間も夢を決して裏切らない」という歌詞が発端。松本氏は「銀河―」の「時間は夢を裏切らない。時間も夢を決して裏切ってはならない」のせりふを盗作したと、06年秋から主張していた。

 和解条項によると(1)松本氏が「盗作」と発言し、槙原の社会的評価に相当の影響を与えたことに対し、陳謝の意を表明する(2)槙原の楽曲「約束の場所」の今後の使用について、松本氏が異議を述べない(3)双方に賠償などの債権債務は存在しないことを確認する-などが盛り込まれている。

 昨年の1審判決では、槙原が盗用したとは認められないとして、松本氏側に220万円の支払いを命じていた。今回は松本氏の陳謝表明で、槙原側は賠償金の請求を放棄した。槙原は所属事務所を通し「いわゆる盗作騒動が3年前に起きたことにより、私自身の名誉回復をはかるために今回の裁判を起こしたものであったので、こうした和解の内容に関しては満足しております」とコメントした。一方、松本氏の代理人は「大人の解決をしたということです」と話している。

 [2009年11月27日9時18分

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