日本最長寿のTBS系時代劇ドラマ「水戸黄門」(月曜午後8時)が、現在放送中の第43部で終了することが14日、分かった。今シリーズが4日からスタートも、平均視聴率が初回10・0%、11日の第2回も9・6%(ともにビデオリサーチ調べ・関東地区)と低調だった。TBS系の看板番組として、1969年(昭44)8月から長らく愛されてきたが、役割を終えたと判断された。

 国民的時代劇として親しまれてきた水戸黄門が、42年の諸国漫遊の歴史に幕を下ろすことになった。放送回数は1200回以上。東野英治郎、西村晃、佐野浅夫、石坂浩二、里見浩太朗とつないで演じてきた黄門さまも、5代でついえる。関係者によると「ここ2年で視聴率が低迷していて、新シリーズでも変わらず、スポンサーのパナソニックも、ついに決断した」と明かした。

 事実、近年は視聴率低迷に苦しんでいた。40年目の08年10月20日に初めて視聴率1ケタ(9・7%)を記録し、昨年放送の第41部ではシリーズ平均でも9・2%だった。79年の第9部最終話の2月5日放送では、史上最高の43・7%、同年8月から半年間の第10部では、シリーズ平均37・7%と驚異的な視聴率をマークしたこともあっただけに、ある関係者は「もう、十分、テレビの歴史上でも役割を果たし切ったということ。現代の世相やニーズに、合わなくなってきているようだった」と説明した。

 昨年6月の第41部終了とともに、24年間出演してきた由美かおるが卒業した。昨年10月からの第42部では、格さん助さん役を、的場浩司と東幹久にリニューアル。由美に代わる女性新キャラクターに雛形あきこを起用するなど、キャスト陣の若返りも図るなど、手を尽くした末の結果だった。

 01年以降の月曜午後8時のパナソニックドラマシアター枠は、水戸黄門1シリーズ半年間と、現代劇ドラマ3カ月を交互に放送してきた。09年からの現代劇枠は、平均視聴率11%台と、水戸黄門よりやや高い数字を出す「ハンチョウ~神南署安積班~」が、4シリーズ続いている。水戸黄門に代わる新番組は未定だが、今シリーズの半年放送分で終了。年末にはご隠居さまがつえを、格さんが印籠(いんろう)を静かに置く。