<第17回日刊スポーツドラマグランプリ受賞者発表>

 「第17回日刊スポーツドラマグランプリ」助演女優賞は、TBS系「安堂ロイド

 ~A.I.

 knows

 LOVE?~」の柴咲コウ(32)が受賞した。現在と未来が交錯するSF世界の物語の中で、今を生きる女性をリアルに演じた。悩み、苦しみ、戦う姿は共感を呼び、多くの女性支持を得た。

 柴咲が演じたのは、婚約者で研究者だった沫嶋黎士を亡くした安堂麻陽。婚約者そっくりのアンドロイドが送り込まれ、混乱のうちに物語が始まっていく。

 「現代劇と未来が交錯するSFですが、現実感が伴わないと、共感しづらいものになる。私の役割は、現在をきちんと生きる女性を演じることだったと思います。例えば、アンドロイドが現れた時、『へっ!?』というただの驚きだけだと軽いものになってしまう。驚きに怒りに混乱、静寂が訪れた時の涙を大事にしました」

 感情表現は繊細でリアルだった。多くの女性支持はそれを裏付けている。「同性からの支持って深い部分を見られている気がするんです。選ばれたのは光栄です。表面上だけで見られてしまうと、私にはマイナスの部分もいっぱいあると思いますけど、そうじゃない部分をくみ取ってもらってうれしいです」と喜んだ。

 主演の木村拓哉(41)とはTBS系「GOOD

 LUCK!!」以来、10年ぶりの共演だった。木村については「ますます現場が好きになってる感じがしました。カメラテストも自分で立って、本番じゃない時でも自分に甘えず、体と心を使っている。本当に勉強になりました」と振り返った。

 そう言う柴咲も「体と心を使って」取り組んだ。「形だけでなく心を使って表現したものに、人が賛同してくれたり、共感してくれたりという見えない結び付きがたまらなくうれしい。見てる人と両思いになれたのかな」と、あらためて受賞を喜んだ。【小林千穂】

 ▼柴咲(しばさき)コウ

 1981年(昭56)8月5日、東京都生まれ。99年に日本リーバCMで注目される。映画、CMと幅広く出演。ドラマはTBS系「オレンジデイズ」やフジテレビ系「Drコトー診療所」「ガリレオ」など。歌手としても活躍し、新曲「ラブサーチライト」は「名探偵コナン

 異次元の狙撃手」の主題歌。160センチ。血液型B。

 ◆「安堂ロイド」

 時空を抜けるトンネル、ワームホールの研究の第一人者だった沫嶋黎士(木村拓哉)が殺された。婚約者の安堂麻陽(柴咲コウ)に「100年先もずっと、守る」という謎の言葉を残して。麻陽も暗殺者に襲われるが、黎士そっくりの男に助けられる。麻陽を守るアンドロイドだった。親しみを込め「ロイド」と呼ぶようになる麻陽だったが、未来からの暗殺者に次々襲われる。

 ◆ドラマグランプリ

 3月20日から28日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」と宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2154票。男性が727票、女性が1427票。10代以下が45票、20代101票、30代263票、40代823票、50代655票、60代以上が267票。