眼鏡の大手チェーン店「JINS」や「Zoff(ゾフ)」、「眼鏡市場」などを中心に、一部の眼鏡レンズの注文受け付けを停止する動きが広がっていることが4日、分かった。レンズ供給元の光学機器大手HOYAでシステム障害が発生したのが原因。復旧の見通しは立っておらず、眼鏡をつくれないなど混乱が長期化する恐れもある。

HOYAではグループの国内外の事業所で障害が起きており、複数の製品に関し工場のシステムが停止した。原因はサーバーへの不正アクセスによる可能性が高いとしている。

障害が起きたのは3月30日。取引先に「グループ全体で外部に端を発する何らかの重大なITの問題を抱えたシステム障害が発生した」と通知した。HOYAとセイコーグループが出資するセイコーオプティカルプロダクツのレンズ製造工場でも、障害が起き、影響が出た。

HOYAによると、同社のレンズは世界シェア2位で国内ではトップ。セイコーオプティカルプロダクツも大手の一角を占めている。

JINSを展開するジンズ(東京)は一部のレンズの取り扱いを停止した。群馬県に拠点を構える眼鏡店はホームページで「HOYAとSEIKOのレンズメーカーで重大なシステム障害が発生し注文をお受けできません」と告知し、他メーカーでの対応を迫られた。

HOYAは、コンタクトレンズや半導体に電子回路を描く工程で使うガラス製品も製造しており、幅広い事業に影響が出る可能性がある。(共同)