中国の習近平国家主席と台湾の最大野党、国民党の馬英九前総統は10日午後、北京の人民大会堂で会談した。習氏は「海峡両岸(中台)は不可分」だと強調。台湾独立に反対する馬氏を「高く評価する」と述べた。中台のメディアが報じた。

台湾で5月に与党民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統が新総統に就任するのを前に、習氏は対中融和路線を取る馬氏を厚遇。「いかなる勢力もわれわれ(中台)を引き離すことはできない」と話し、独立派と見なす民進党や、米国をけん制した。

10日の首脳会談で連携を深める日米両国をにらみ、台湾問題への「内政干渉」を認めない姿勢を誇示。馬氏は習氏との会談実現で、中国と対話が途絶えている民進党との違いをアピールする狙い。

馬氏は台湾総統だった2015年に習氏とシンガポールで初の中台首脳会談を実施した。馬氏は今月1~11日の日程で訪中し、7日に北京入り。8日には北京郊外の盧溝橋と中国人民抗日戦争記念館を見学し、対日歴史認識で中国と共闘する構えを見せた。(共同)