衆院3補欠選挙(16日告示、28日投開票)の一つである東京15区補選に無所属で出馬する作家乙武洋匡氏を巡り、自民党内で推薦を見送る案が浮上した。推薦を検討していたが、乙武氏から正式な依頼がなく、関連の手続きを進められないと判断したためだ。過去に報道された乙武氏の女性問題に対し、自民内で反発が出ていることも影響しているとみられる。複数の関係者が10日、明らかにした。支援の在り方は引き続き協議する。

乙武氏については、小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党が設立した「ファーストの会」が推薦する見込み。党派閥の政治資金パーティー裏金事件などで逆風にさらされる中、独自候補擁立を見送った自民は、知名度の高い小池氏が立てる候補に相乗りする算段だった。推薦を見送った場合でも、小池氏や公明党と共に乙武氏を支える一定の態勢は構築したい考えだ。

乙武氏を巡っては、自民と連立を組む公明の支持母体・創価学会内でも、推薦への慎重論が広がっている。女性問題などが背景にある。

乙武氏は8日の記者会見で、国政政党の推薦に関し、自身の政策を見て「ぜひ推薦」という政党があれば話したいと説明していた。(共同)