林業を営むマルヤマ特殊伐採(愛媛県西条市)が提供している、自分で木材を割って好きなだけ持ち帰れる「まき割り放題」サービスが人気を集めている。

従来は業者に処理を依頼していた伐採後の廃棄木材の有効活用が狙いだ。伊藤雄太代表取締役(37)は「これを機に、本業の林業や特殊伐採の格好良さや魅力についても知ってほしい」と話す。

同社は建物や電線に近接して生えたり、工事現場に生えたりして撤去が必要な木を、クレーンなどを使って撤去する特殊伐採を手がける。多い場合だと1回の現場で20~30トン、一般家庭の伐採でも5~6トンの木材が発生するといい、基本的に全て処分していた。

まきの販売はしていないかと問い合わせがあり、需要に応えようと昨年4月からサービスを開始した。「まき割りの体験も楽しんでほしい」と、最新の自走式破砕機を貸し出し、客が自らまき割りを行う。経験がなくても操作可能で、事前に簡単なレクチャーをする。

価格は1万5000円。事前予約制で、1日1組限定だ。樹種は選べないが、ヒノキやケヤキ、スギなどを取り扱っている。まきストーブやたき火用に求める客が多く、多い月で5~6組の予約が入る。

大半の客が軽トラック複数台の荷台を満杯にして1トン以上を持ち帰るといい、廃材の減少にもつながった。伊藤さんは「売り手、買い手の双方にうれしい仕組みを構築できている」と語る。(共同)