2025年大阪・関西万博は13日、開幕まで1年となった。日本国際博覧会協会(万博協会)は機運醸成に向け東京都内でイベントを開催。岸田文雄首相はビデオメッセージで「会場には未来社会の姿が現れる。行動を起こすきっかけになることを期待している」と呼びかけた。会場工事は徐々に進むが、開催費用上振れや海外パビリオンの建設遅れなど課題が山積。前売りチケットの売れ行きは目標の6%にとどまり、万博への期待や関心は高まっていない。

13日午前、共同通信のヘリコプターから大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の会場予定地を見渡すと、周りを囲む木造巨大屋根「リング」は8割方組み上がり、ほぼ輪の形に。遅れが指摘される海外パビリオンの予定地の多くでは、むき出しの地面が目立った。

都内のイベントでは、万博協会会長の十倉雅和経団連会長が「集大成の1年となる。万博を素晴らしいものに仕上げたい」と強調。万博会場スタッフの制服が発表され、来場案内などを担う「会場サービスアテンダント」の服をデザインした服部真理子さん(53)は「常識を変えるようなわくわく感を表現した」と話した。映画監督河瀬直美さんらテーマ館プロデューサー8人も出席した。

前売りチケットは昨年11月末、開幕500日前に合わせて販売を開始。だが発売直前の10月に会場整備費が当初比1・9倍に、12月には運営費が1・4倍に上振れし、イメージダウンに拍車がかかった。万博協会によるとチケットの総販売目標2300万枚に対し、4月10日時点の販売枚数は130万枚。企業購入分700万枚はめどが付いたとしている。

協会は来場予約やパビリオンの来館予約が始まる今年9~11月と、開幕前後の25年3~5月をPR重点期間とする。大阪府と大阪市も予算を投じて機運醸成に取り組んでおり、府市でつくる万博推進局は23年度予算に約4億円、24年度当初予算にも約8億円を盛り込んだが、実効性は未知数だ。

大阪府・大阪市が23年12月に実施したアンケートでは、万博に来場する意向がある人の割合は全国で33・8%。府内も36・9%で、府市が23年度の目標と定めた55%に遠く及んでいない。

万博は来年4月13日~10月13日に開かれる。(共同)