2025年大阪・関西万博の開幕1年前となった13日、日本国際博覧会協会(万博協会)が東京都内で記念イベントを開いた。会期中のスタッフの制服を発表し、岸田文雄首相はビデオメッセージで「会場には未来社会の姿が現れる。行動を起こすきっかけになることを期待している」と呼びかけた。低迷する機運を高められるか実行力が問われる1年となる。

イベントには映画監督河瀬直美さんらテーマ館プロデューサー8人が出席。あいさつした万博協会会長の十倉雅和経団連会長は「集大成の1年となる。万博を素晴らしいものに仕上げたい」と強調。斎藤健経済産業相は「どのようなものが見られるのか、体験できるのか、万博の意義や中身を一丸となって発信していく」と決意を示した。

スタッフの制服は協会職員、運営、清掃など職種ごとにデザインが違い、来場案内や通訳を担う「会場サービスアテンダント」は赤、青、緑3種のシャツに、公式キャラクター「ミャクミャク」をあしらった白い上着が付く。公募で採用されたデザイナー服部真理子さん(53)は「常識を変えるようなわくわく感を表現した」と話した。

入退場ゲートなどで案内したり、迷子の対応をしたりするスタッフの募集も13日開始した。

協会はこれまでに、参加国や企業などが実施する会期中のイベント222件の概要を公表。機運醸成に向け、来場予約やパビリオンの来館予約が始まる今年9~11月と、開幕前後の25年3~5月をPR重点期間に設定しているが、前売り券販売開始に合わせた重点期間だった23年10~12月は効果が十分に得られず、売り上げは伸び悩んだ。

開催地の大阪府と大阪市も予算を投じて機運醸成に取り組む。府市でつくる万博推進局は23年度予算に計約4億円を計上。24年度当初予算にも同様の目的で計約8億円を盛り込んだが、実効性は未知数だ。(共同)