東日本大震災で津波被害に遭った宮城県気仙沼市で14日、埼玉県熊谷市の市民団体「『花のお嫁入り』気仙沼に熊谷桜を植える会」が、八重桜の一種の「熊谷桜」を植樹した。2014年から植樹や苗木の贈呈を始め、10回目の今回で千本を超えた。「千本桜」の目標を達成し、植樹活動は最後となった。

この日は、気仙沼市の古谷館八幡神社で植樹の儀式が行われた。苗木を持った団体関係者らが人力車に乗って登場し、桜の「嫁入り」を演出。来場者が見守る中、千本目となる苗木が境内の一画に植えられた。団体の横田透会長(73)は「今後も熊谷桜を通じて気仙沼との交流を続けたい」と笑顔で話した。

団体によると、約800年前、熊谷出身の武将熊谷直実の孫が、気仙沼に移り住んで統治したとされる。こうした縁がきっかけで復興支援を目的に14年に団体が発足。新型コロナウイルスの感染が拡大した20年を除き、年に1度、100本ほどを植樹するなどしてきた。(共同)