2月に88歳で亡くなった世界的指揮者、小澤征爾さんの母校、成城学園が主催するお別れの会が14日、東京都世田谷区の同校講堂で開かれた。音楽仲間や教え子、学校OBら約1300人が参列。会場は思い出の曲の合唱や演奏に包まれ、マエストロとの別れを惜しんだ。

冒頭、長男で俳優の征悦があいさつ。自身も同校出身と語り、教室によく遊びに来た父が、子どもたちに「ド」「ミ」「ソ」と歌わせて和音をつくり「『これが音楽だ』と教えてくれた」と振り返った。

その後、参加者全員でドミソの和音を合唱。美しいハーモニーが響くと、征悦は「(父に)届いたと思います」と涙をこらえながら、笑顔を見せた。

小澤さんは成城学園で中学から学び、高校在学中に転校して音楽の道へ。お別れの会では、成城時代に仲間たちと結成し、小澤さんが初めて指揮に挑戦したという合唱団「城の音」や、共に活動した演奏家らが厳かな音楽を届けた。(共同)