海外での人気も高い秋田犬を巡り、血統書の偽造トラブルなどが報告されているとして、秋田犬保存会(秋田県大館市)は、ブロックチェーン(BC)と呼ばれるデジタル技術を活用した「デジタル血統書」の発行を始めた。偽造や改ざんを防ぐのが狙い。

海外の保存会会員数は、2022年の約300人から23年は約500人に増えた。これまで保存会は血統書を紙で発行してきたが、海外への輸送時に手元に届かないケースや、紛失するトラブルが起きていた。中国では数年前、血統書が偽造されたとの情報もあった。

デジタル血統書は、IT企業のメタ秋田(秋田市)と米IT企業エアルームが共同開発した。暗号資産にも用いられるBC技術は偽造防止に効果があるほか、紙では2週間以上かかる血統書受け取りまでの時間を大幅に短縮できるメリットがある。

保存会会員を対象にスマートフォンのアプリで発行。希望者は秋田犬保存会ホームページの専用フォームなどから申し込める。保存会の庄司有希事務局長は「デジタル化による利便性に加え、飼い主には、本物のブランド犬だという安心感も持ってもらえれば」と話した。(共同)