大分市の高崎山自然動物園で、B群トップの雄ザル「ゴロー」が群れを離れたため、新たなトップを認定する「ピーナツテスト」が15日、行われた。史上初の雌のトップとして君臨した「ヤケイ」と、序列第2位の雄「オオムギ」の間にピーナツが置かれ、先んじて手中に収めたのはオオムギだった。ヤケイは頂点に返り咲けなかった。

同日午後2時ごろ、職員と入園客ら数十人が固唾(かたず)をのんで見守る中、雨が降りしきる同園のサル寄せ場では、オオムギが5回繰り返し置かれた殻付き落花生を4回取り、ヤケイに対する優位を示した。

園によると、ゴローは昨年11月12日から群れの中に姿を現さなくなった。C群の雌に恋し、追いかけているとみられる。通常はトップ不在から約1カ月後には序列2位の雄が新たな1位に認定される。ただ、昨年11~3月ごろはサルの発情期で群れの権力構造が不安定化していたため、園は情勢を静観していた。

ヤケイは2021年7月から23年5月まで史上初の雌のトップとして活躍したが、ゴローと交代。直後の6月、雌の赤ちゃんザルを抱える姿が確認された。出産後、群れの端で子育てしていたが、子どもの成長とともに中心に戻り再び存在感を発揮していた。

同園の藤田忠盛さん(53)によると、人間の年齢に換算するとオオムギは60代後半だが、ヤケイはまだ30代。「温厚なオオムギがヤケイに取らせてしまうことも予想していたので若干驚いた。今後も関係を見守っていきたい」と話した。(共同)