ウクライナ北部チェルニヒウで17日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、ウクライナ当局によると、14人が死亡、子どもを含む60人以上が負傷した。中心部の人口密集地に、少なくとも3発のミサイルが撃ち込まれ、病院や教育機関、集合住宅、車数十台が被害を受けた。

現場では8階建ての建物の半分ほどが崩れ落ち、巨大ながれきの山ができていた。近くには損傷した車両。がれきを除去する重機や大型トラックがひっきりなしに行き交っていた。救助隊員らは下敷きになった人がいないか確認するため、大声で呼びかけていた。警察官らが男性の遺体を収容。顔に大きな傷があり、担当者が遺体の状態を確認していた。

ゼレンスキー大統領は「十分な防空装備を受け取っていれば(これほどの被害は)起こらなかっただろう」と支援強化を訴えた。

ウクライナ保安局(SBU)は16日までに、ロシア西部ブリャンスク州のレーダー設備を無人機7機による攻撃で破壊した。SBUの情報筋が共同通信に明らかにした。ロシアの監視能力を低下させ、ウクライナ軍はロシアへの無人機攻撃などを実行しやすくなると主張した。

レーダーはブリャンスク州と接するウクライナ北部を監視範囲にしていたという。情報筋によると、SBUはロシア西部ベルゴロド州でも同型のレーダーを破壊した。

ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島北部ジャンコイの軍用飛行場付近で16日夜から17日未明に爆発と火災が起きた。ロシア独立系メディア「アストラ」などが動画とともに報じた。被害状況は不明。ロシア国防省は確認していない。

ゼレンスキー氏は15日公開の米公共放送(PBS)とのインタビューで、中部キーウ(キエフ)州最大の火力発電所が今月、ロシア軍のミサイル攻撃で破壊されたことについて「迎撃用ミサイルが枯渇しているからだ」と強調した。(共同)