北朝鮮による拉致被害者で2002年に帰国した曽我ひとみさん(64)が20日、共に拉致された母ミヨシさん=当時(46)=ら被害者の救出を願い、1日から勤務を始めた地元、新潟県佐渡市の拉致被害者対策係の職員として初めて、同市で署名活動をした。

曽我さんは対策係に就いた理由について記者団に、被害者家族が高齢化し残された時間がなくなっていることを挙げ「今まで以上に、拉致問題は解決していないと伝えたい」と強調した。

20日は市職員や支援団体のメンバーと共に、市内で開かれた祭り来場者らに署名を呼びかけた。同市のパート竹内ゆかりさん(58)は「家族がいなくなったのはとても切ないから、早く帰してほしい」と話した。

市によると、曽我さんはこれまで、休みを利用するなどして署名や講演活動をしていたが、今後は業務として行うという。同市での署名活動は06年に始まり、23年度末までに延べ約6万1千人分の署名が集まった。県を通じて首相宛てに毎年提出している。(共同)