LGBTQなど性的少数者の権利を向上させ、社会の理解を広げようと、当事者らによる「東京レインボープライド2024」のパレードが21日、東京・渋谷周辺で行われた。

主催者発表で約1万5千人が行進し、性の多様性を象徴する虹色の旗をはためかせた。

主催するNPO法人「東京レインボープライド」によると、前身のパレードが1994年8月に東京で始まって今年で30周年。第1回は数百人規模だったが、次第に社会的に認知され、企業も協賛するように。パレードは各地に広がり、30以上の都道府県で計200回以上行われてきた。

今年のテーマは「変わるまで、あきらめない。」。先進7カ国(G7)で唯一、同性婚や国レベルのパートナーシップ制度を導入していないなど、日本の現状に対する批判も込めた。

東京レインボープライド共同代表理事で、心と体の性が一致しないトランスジェンダーを公表した元フェンシング女子日本代表の杉山文野さん(42)は「性的少数者の認知度は高まり、今では常識と言えるほどになった。ただ法律が変わらないと当事者の状況は変わらない。法律が変わるような社会を醸成したい」。

静岡県から参加した20代会社員は「普段は同じ境遇の人に会うことがないので、一緒に歩けて楽しかった。来年もまた参加したい」と話した。

ゲイであると昨年公表した音楽グループ「AAA」の与真司郎さんが関連イベントに登場。「自分のため、また一人でも多くの人の自信につながってほしいと思い、カミングアウトした。日本はまだ同性婚も認められていない。皆さん諦めずに頑張っていきましょう」と舞台から呼びかけた。(共同)