26日のニューヨーク外国為替市場の円相場は対ドルで大幅下落し、一時1ドル=158円44銭と1990年5月以来、約34年ぶりの円安ドル高水準を付けた。日銀が現行の金融政策の維持を決めた一方、米国の指標でインフレの根強さが示された。日米の金利差が開いた状況が続くとの見方が広がって、円売りドル買いが膨らんだ。

円は対ユーロでも下落し、単一通貨ユーロが導入された1999年以来の最安値水準に迫った。歴史的な円安水準を更新し続けており、輸入食品やエネルギーの価格上昇を招き、消費者の生活を圧迫する恐れがある。

週明け29日は日本が祝日で市場参加者が限られ、取引量が少ない中でさらに円安が進む可能性もある。市場では日本政府・日銀による円買いの為替介入に対する警戒感もくすぶっている。

26日午後5時現在は、前日比2円73銭円安ドル高の1ドル=158円32~42銭を付けた。ユーロは1ユーロ=1・0687~97ドル、169円15~25銭。

日銀の植田和男総裁が金融政策決定会合後の会見で円安進行に強い懸念を示さなかったことから、緩和的な金融政策が続くとの思惑が広がった。政策金利の誘導目標は日本の0~0・1%程度に対し、米国は5・25~5・5%と大きな開きがある。

26日朝方に発表された3月の米個人消費支出(PCE)物価指数の前年同月からの上昇率が2月から拡大した。インフレ圧力を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの観測が強まったことも円安ドル高の流れを後押しした。

円は対ドルで1週間の下落幅が4円近くになり、昨年末からは約17円も下がった。円買いを促す目立った材料がない中で円安ドル高が加速している。(共同)