イスラエルを訪問したブリンケン米国務長官は1日、エルサレムでネタニヤフ首相と会談した。パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止や人質解放の間接交渉について協議。カタールメディアによるとエジプト当局筋は、イスラム組織ハマスがエジプトを通じイスラエル側の提案に対する修正要求を文書でイスラエル側に渡したと明らかにした。最終的な回答は後日提出するとみられる。

ブリンケン氏はネタニヤフ氏との会談に先立ってヘルツォグ大統領と会い「合意に至らないのはハマスのせいだ。これ以上の遅れや言い訳は許されない」と強調、ハマスに休戦合意の受け入れを迫った。

ネタニヤフ氏は4月30日、合意の有無にかかわらずガザ最南部ラファに侵攻し、ハマスを壊滅すると言明。ハマスの反発を招き、交渉への歩み寄りが難航する可能性がある。カービー米大統領補佐官は同日、ラファ侵攻に反対する米国の立場を改めて強調した。

ハマスは恒久停戦を求めている。間接交渉でイスラエルは、人質解放後に恒久停戦を議論する用意があるとの譲歩案を示したとされる。イスラエル紙ハーレツによると、ハマスは合意条件としてイスラエルが今後数カ月間、ガザで戦闘を再開しないことを保証するよう要求しているという。

ブリンケン氏はイスラエル側と支援物資の搬入拡大も議論。カービー氏は物資搬入に関し、ガザ北部のエレズ検問所が週内に開き、ガザ沖合に米軍が建設中の臨時埠頭（ふとう）で数日以内に物資受け入れが始まると語った。

ガザ保健当局は1日、昨年10月の戦闘開始以降のガザ側死者が3万4568人になったと発表した。（共同）