スペイン中部トレド県ウルダで高速列車が停止中の別の列車に追突した事故で、地元カスティーリャ・ラマンチャ自治州首相は28日、死者が68人に上ったと表明した。木原稔官房長官は29日の記者会見で、乗客名簿に日本人2人が含まれているとスペイン当局から通報があったと明らかにした。安否は確認中としている。プエンテ運輸相は28日の記者会見で、赤信号表示にもかかわらず、運行を管理する指令センターが高速列車の運転士に発車を指示したと述べた。
プエンテ氏は、事故原因との断定は避けつつ指令センターの判断は「明らかな誤りで、説明がつかない」と指摘した。
スペイン紙パイスによると、負傷者は107人で、うち18人が重体。
プエンテ氏によると、28日午前8時半ごろ、首都マドリード-南部セビリア間の一部でコンピューターシステムに不具合が発生。63キロにわたる区間で列車6本が自動停止した。マドリードの指令センターは6分後、安全システムが作動せずに赤信号も表示されている状態で、運転士らに発車を指示。午前8時53分に事故が起きた。
危険に対処できるよう、運転士に時速40キロでの「目視運転」を求めるべきところ、指令センターは指示しなかった。
プエンテ氏は「運転再開から衝突までの間に何が起きたのかは、まだ分かっていない」と強調。「全ての列車の位置は把握されていた。性急な行動が要求される状況ではなかった」と語った。
パイスによると、マドリードと南部アンダルシア州を結ぶ高速鉄道の運行再開は見通しが立っていない。国営鉄道レンフェはこの区間の高速鉄道の乗車券販売を12月まで停止すると明らかにした。
スペインでは今年1月にも、南部コルドバ近郊で高速列車が脱線して別の高速列車に衝突し、少なくとも45人が死亡する事故があった。(共同)

