スペイン中部トレド県ウルダで高速列車が停止中の別の列車に追突した事故で、スペインメディアによると地元カスティーリャ・ラマンチャ自治州首相は29日、死者が69人になったと発表した。

日本政府は29日、乗客名簿に邦人2人が含まれているとスペイン側から連絡があり、安否確認中だと公表した。同国のプエンテ運輸相は赤信号にもかかわらず、運行を管理する指令センターが高速列車の運転士に出発を指示したと述べた。

プエンテ氏は指令センターの判断について「明らかな誤りで、説明がつかない」と指摘した。事故原因は断定しなかった。公共放送TVEによると、約50人が病院で治療を受けている。

プエンテ氏によると28日午前8時半ごろ、首都マドリード-南部セビリア間の一部でコンピューターシステムに不具合が発生。63キロにわたる区間で列車6本が自動停止した。マドリードの指令センターは6分後、安全システムが作動せずに赤信号も表示されている状態で、運転士らに発車を指示。午前8時53分に事故が起きた。

危険に対処できるよう、運転士に時速40キロでの「目視運転」を求めるべきだったのに指示していなかった。

事故現場はマドリードの南約100キロ付近。追突したのはマドリードを出発し、セビリアに向かっていた国営鉄道レンフェの高速列車で、停車していた民間鉄道イリョの列車に後方から衝突した。両列車に計540人以上の乗客がいた。

パイス紙によると、マドリードと南部アンダルシア州を結ぶ高速鉄道の運行再開は見通しが立っていない。

日本政府は現地対策本部を設置。現地の大使館員を事故現場に派遣し、情報収集と確認作業に当たっている。

スペインでは今年1月にも南部コルドバ近郊で高速列車が脱線して別の高速列車に衝突、46人が死亡した。(共同)