「築地は守る、豊洲を生かす」。東京都の小池百合子知事は２０日、都庁で会見し、築地市場（中央区）の豊洲市場（江東区）移転問題について、築地と豊洲の「共存案」を提示した。豊洲に市場を移転した後、５年後をめどに築地を市場機能を持つ場として再開発。豊洲はＩＴを活用した総合物流拠点で活用すると述べた。ただ具体的な工程表や財源は示さなかった。また日刊スポーツの取材に、築地再開発の際には、スポーツ施設の設置も含めた案を練る意向を示した。

　小池氏が２０日、日刊スポーツの取材に応じ、再整備後の築地市場にスタジアムを含むスポーツ施設の設置を検討していることを明かした。「築地ブランドを生かした新事業」として商業、外食、教育、スポーツなどを挙げた。「スタジアム案は」との問いに「そうですね。どういうスポーツかにもよります」と語った。

　築地の潜在能力について「場所が抜群。新橋、日本橋、銀座から近く、これだけ集客力のある場所はない」とした。「スポーツも含めて食べて、飲んで、遊んでとエンターテインメント機能が持てる。ただのホテル、オフィス、住宅では物足りない」と「食のテーマパーク像」を語った。今後、広く意見を求めていく。

　５年後戻る業者について「皆さん築地にいたい思いがある。それを生かしたい。築地－豊洲間はけっこう近い。交通事情は良くなるので『卸』と『仲卸』は共存できる」と語った。

　２０年東京五輪までに環状２号線を開通、築地市場跡地は五輪関係者の駐車場を整備することを明言し組織委へ「安心してください」と語った。