将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が21日、大阪市の関西将棋会館で指された王将戦予選で若手実力者の澤田真吾六段(25)を破り、歴代1位の連勝記録となる神谷広志八段の28連勝(87年)に並んだ。

 アマチュア三段で将棋愛好家でもある元プロ野球選手の古田敦也氏(51)は藤井四段の最多連勝タイ記録達成について、「14歳とはびっくり」と驚いた。羽生善治3冠が19歳3カ月で竜王を獲得したり、屋敷伸之九段が18歳6カ月の史上最年少で棋聖を獲得した時も「天才現る」と話題になった。「彼らでも10代後半からの活躍ですから」と言う。

 プロ野球の新人投手では1999年(平11)、上原浩治(当時巨人)が15連勝した例がある。古田氏は「新人が活躍するのはどの競技でも難しいが、活躍する選手も結構いる。問題は2年目。マークされ、研究されてなお、常に向上心を持ち、努力を続けなければ(プロでは)生き残れない」とアドバイスする。

 今後について、元捕手ならではのこんな読みも出た。「近い将来、負けると思います。極端なことを言えば最強コンピューターソフトで棋譜を研究して藤井君にだけは勝つという棋士が出てくるでしょう」。

 かつて、古田氏の恩師である野村克也氏が阪神の監督時代、左腕の遠山奨志投手を松井秀喜のワンポイントでぶつけた例がある。「藤井キラー」の棋士も出るかもしれない。

 「負けてから真価が問われると思います。負けて、勉強して、見えた弱点を克服して、さらに強い棋士になるでしょう。ただ、この僕の予想が当たらず、勝ち続けてほしい」と期待した。