公式戦最多連勝タイ記録となる28連勝を達成した最年少プロ棋士の藤井聡太四段(14)の快進撃を受け、将棋関連の玩具や本の売り上げが急増している。

 藤井が5歳のころに熱中した入門セット「NEWスタディ将棋」の売れ行きは、先月から好調。駒の動かし方が書いてある初心者向けの将棋ゲームで、製造元の「くもん出版」によると、前年比2倍以上の売れ行きという。

 5月にテレビの情報番組で、藤井が将棋を覚えたゲームとして紹介されると、一気に火が付いた。「孫に教えてあげたい」と求めにきた祖父母、「2人で楽しみたい」とやってきた親子連れなどが続出。大手家電量販店「ヨドバシカメラ」では、「ここまで激しく売り上げアップした玩具も珍しい」と話した。

 ヨドバシカメラでは藤井の快進撃を受けて、将棋の盤、駒、玩具、書籍の売り場を特設して目立たせた。売り上げは約10倍になったという。

 藤井効果は、出版業界にも波及している。11年に発売された「羽生善治のやさしいこども将棋入門」は今年、4回も重版して計2万部近くを出荷した。ほかにも子供向けの入門書を中心に将棋関連の書籍の売り上げが伸びている。主婦やサラリーマンが買う姿が目立つ。東京の三省堂書店有楽町店では、「連勝記録が注目されたこの2~3週間で100~120%の伸び。書籍全体の売れ行きの厳しい中でこれはすごい」と話していた。