国政にも影響を与える東京都議選(定数127)は2日、投開票され、小池百合子都知事が率いる「都民ファーストの会」が大躍進して第1党となった。

 「選挙巧者」で知られる小池氏が、目指した「議会の総取っ換え」を現実に近づけた。都民ファーストの会は、選挙前の6議席から大躍進。小池氏は2日夜、開票センターを置いた都内のホテルで会見し、「都民目線で政策を1つ1つ語ったことに尽きると思う。改革への姿勢、期待を受けての結果。選んでよかったと思ってもらえるようにしたい」と述べた。

 敵対する自民党都連の手法を「ブラックボックス」と批判し、都連が牛耳ってきた都議会を「古い議会を新しく」と訴えた。勝因を「新しい議会というのは胸に響いたのではないか」とした上で、「都知事選と同じく、途中から勢いが増した」と分析。告示後、問題が続出した自民党の「敵失」も、圧勝の一因であることを示唆した。

 昨年の都知事選、2月の千代田区長選に続く自民党都連との対決にも、3連勝でケリをつけた。「(選挙戦で)国政の問題が噴出した。結果を受けて、どう総点検されるのかは自民党の考え方だ」とけん制した。

 圧勝で都政に足場を築いた小池氏。次は国政進出へ、「小池新党」設立の準備に動くのではないかとの見方もある。小池氏自身は、「あくまで都民ファーストの会。都民の最大の利益を確保する」と述べるにとどめたが、都議選では、既成政党を離れた国会議員との連携も目立った。

 若狭勝衆院議員(自民党に離党届)、長島昭久衆院議員(民進党除籍)、渡辺喜美参院議員(日本維新の会除名)が応援に入り、連携をアピール。所属国会議員が5人以上なら政党要件を満たす。ほかにも無所属議員らとの連携が浮上している。

 政界関係者は、「新党結成なら、次の衆院選直前。選挙に不安な議員を中心に『小池頼み』の動きは強まるはずだ」と分析。河村たかし・名古屋市長らほかの首長との連携も取りざたされ、水面下で準備は進むとみられる。

 小池氏は、都民ファ推薦で当選した無所属の候補も、当確の段階で公認に切り替えた。都議会には、親小池派の議員が大量に誕生したが、自民などは「イエスマンだ」と、反発する。新人議員も多い。議会と適切な関係を保てるか。小池都政の課題の1つになりそうだ。