最初は、数人が手をつないだ。これに次々に人が加わっていった。最後は約80人が、安全な浅瀬から沖へとつながった。その長さ約100メートル。沖側の人は押し寄せる波に顔までつかりながらも手は離さず、9人全員を救出した。現場にいた女性は、CNNなどの取材に「どんどん人と人がつながっていた。(救出が成功すると)みんなから歓声が上がったわ」と話した。

 「人間の鎖」で助け出されたロベルタさんは「彼らがいなかったら、私たちはここにいなかった。みんな天使のような人たちだった」と感謝した。ただ高齢の祖母は心臓発作を起こし、入院したという。

 海上保安庁の担当者によると「離岸流は日本でも海水浴シーズンによくあるが、多くの人が手をつないで入るのは危険」という。「強い流れに巻き込まれた場合は、慌てて岸に戻ろうとするのではなく、まず砂浜と平行に泳いでほしい。離岸流の幅は約10メートルなので、この流れから外れれば戻れます」と話していた。